働きアリとカエルの魔法使い

アゴゴの悩み相談室

ここは不思議な森の奥地 
ヒーリングウェーブの音色に誘われて今日も魔法使いアゴゴのもとには、悩みを抱えた相談者が迷い込みます
さてどんな悩みがあるのか、相談者はだぁれ?

ある日、働きアリはいつものように一生懸命働いていました

毎日毎日、次から次へとやってくる仕事をこなす日々
しかし、どれだけ働いても終わりが見えません
ついには、気力体力とも使い果てて、本当に疲れてしまいました。

それでも、働きアリさんに休むことは許されません
なぜなら、彼らが働かないと多くの子供たちがお腹を空かせて待っているからです
働きアリは、今日も頑張ってお仕事に向かっています

そんなとき、アリさんは餌を探して歩いている最中に、ふと「アゴゴのヒーリングウェーブ」という看板を見つけました

半信半疑ながらも、好奇心に駆られて店内に入ると、不思議な音楽が流れています
メロディがあるようでないその音楽は、心を落ち着かせる効果があるのか、すぐにアリさんの緊張した心がほぐれていくのがわかりました

不思議なお店の中を見回していると、奥で大きな三角帽子をかぶったカエルが一匹、のんびりと昼寝をしていました

店主:アゴゴ
店主:アゴゴ

いらっしゃい、だいぶお疲れのようですね

ヒーリングウェーブのお店へようこそ
初めまして 

私は店主のアゴゴと申します

店主:アゴゴ
店主:アゴゴ

このお店は、本当の自分とずれてしまった方、今の自分に違和感を覚える方、自分を変えたいと思っている方々が引き寄せられるのお店です
どうやら、あなた様は無意識下で今の自分を変えたいようですね

働きアリ
働きアリ

どうも 初めまして
自分が変わりたいかどうかなんてわかりません
ですが、仕事が忙しすぎるので、そんな環境は変えたいと思っています
このままでは、好きで選んだ仕事なのに嫌いになってしまいそうで怖いのです

働きアリは、自分の働いている環境がいかに大変かを店主のアゴゴに伝えました


働いても働いても、次々と頼まれる仕事
自分の休む間もない、仕事の環境
まるで、休むことを許されないかのような雰囲気
まるで機械であるかのように働く自分
好きで始めたはずなのに、最近では仕事に追われすぎていて嫌に感じてしまう自分がいることがわかってしまう
働きアリさんは、店主のアゴゴに胸の内を伝えました

アゴゴ
アゴゴ

それは大変ご苦労をされているのですね 好きで始めたお仕事が、嫌いになりかけている
それは、本来のあなた自身ではなくなて来ているようです

店主の持つヒーリングウェーブは、「本来の自分を取り戻す魔法」だと説明します
そして、店内に流れる音楽は、自分に嘘をついている人を本来の姿に戻す効果があるのだそうです

アゴゴはアリさんに向かって「あなたにはヒーリングウェーブの『愛の音』と『身体の音』が必要かもね」と提案しました

好きが嫌いになってきている、そこまで追い詰めてしまう選択をしている自分に、もっと優しくなってほしいなと感じています
そして、あなたの身体は大変お疲れのようです
ヒーリングウェーブで元気になれる音を送るので、その音から元気を分けてもらってください
きっと、本来のあなたに戻れますよ

アリさんは、その提案に少し不安を感じつつも、疲れ切った自分に素直になり、その提案を受け入れることにしました

アゴゴはラッパのような楽器を取り出し、高い音と低い音を奏でました
その音は、アリさんの身体に響き渡り、心地よい振動が全身に広がっていきます


働きアリ
働きアリ

なんだろう
不思議な感じがするよ 言葉に表せられない奇妙な感覚だ

アゴゴ
アゴゴ

 効果が切れたなと思ったら、また来てね 

微笑みながら手を振るアゴゴに見送られ、アリさんは再び仕事に戻ります

その日、アリさんは餌を見つけられなかったものの、仲間が巨大な甘い岩を発見したのです

みんなでその岩を味見してみると、なんとも美味しいのです
背丈以上に大きな甘い岩は、運ぶ前にたっぷり味見しても問題ないほどの量がありました
みんなでたらふく食べたアリさんたちは、三日間の休暇をもらうことになりました

その三日間、アリさんは美味しいご飯と十分な休養を得て、元気を取り戻すことができました

再び働き始めたアリさんは、あのカエルのお店が気になりつつも、なぜか訪れようとは思いません
アゴゴが言っていた「本当の自分に戻りたい・変わりたいと思っている人が思わず入ってしまう店」の言葉を思い出し、自分が本来の姿に戻れたことに気づいたのです


ヒーリングウェーブの魔法の効果で、働きアリは本来の元気な姿に戻り、今では活き活きと仕事を続けています
次に訪れるときがあったら、働きアリさんはアゴゴに心からの感謝を伝えることでしょう

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